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 きっかけは、雑誌に載っていたフレンチブルーミーティングの記事でした。
 その記事を見て、世の中には、不思議な形をした車があるのだなあぐらいにしか思いませんでした。それまでは、シトロエンはよく壊れるという噂(記事)しか見聞きしていませんでした。それ以外は、スタジオ・ジブリの宮崎駿さんが、昔シトロエン2CVに乗っていたとか、オペルアストラワゴンを購入するとき、エグザンティアというワゴンがあるぐらいしか知りませんでした。

 それが変化したのは、カーグラフィック(CG)の小林彰太郎さんの長期レポートを見てからでした。これは、CGに連載されていたものを一冊にまとめたものです。うーん、こんなに面白い機構の車があるのかというのが私の読んだ感想でした。そして、小林さんの絶賛の嵐。これはちょっと意外でした。そんなに良い車なんだ。これまで自分が知っている話とずいぶん違うぞと。それから、いろいろと本を買って読み進めるうちに、その機構がハイドロニューマチックというサスペンションを使っている車であること、ブレーキのオイル系を共有していること、車高が調整できること等々であることがわかってきました。

 これはおもしろい、でも、手ごろなサイズの車ではないなあ。どれも大きな車になるんだよなあと思っていたら、GSという車があるではないですか。ただし,次の問題は、今の世の中に1970年発表の車が存在しているのだろうか。そういう車を扱っているお店があるのだろうかでした。
 こうなると、あとは、インターネットで調べていくだけだとばかり、今のお店に行きついたわけです。そのお店のホームページの在庫リストにGSがあるぞということで早速、ストックヤードで見せてもらいました。千葉の成田に近いガレージの中で、白いGS1220pallasがうずくまっていました。78年式西武自販もの。22年前の車ですが、ワンオーナーの屋根つき車庫保管だったそうで、思ったより塗装の状態が良く、走行距離 6万キロでした。主要装備は、4MT、左ハンドル、エアコン、ラジオ、メーターパネルは77年以降の丸形、リアトランクは下側が開くタイプ、ガソリンはハイオク無鉛仕様。シートに腰をおろしてみると、ふわふわで、ドイツ車のシートとずいぶん違います。その場で即答はしませんでしたが、ほとんど答えは自分の中で決まっていました。

 そして、今その車は、長い眠りから覚めて、僕を乗せて、再び路上を走り回っています。
 しかし、私は購入を決意するまで、シトロエンという車には一度も乗ったことが無かったのです。いろいろな情報を見聞きしただけの判断でした。しかし、実際に乗った時の、車とはこういうものなんだという感激は忘れられません。

 お金は独身時代からの貯金があったので、奥さんには相談無しに決めてしまいました。ただし,今の車と合わせての2台体制になること、それに伴う駐車場の問題、保険や、車検、メインテナンスに伴う維持費。そしてなによりも乗る時間があるのだろうか。
…といろいろ悩んだものの、整備にある程度、時間がかかるだろうし、他には無い車だし、と言うことで,それから一週間ぐらい後にお願いする旨の返事と前金を払いました。
 おみせでCGの記事やヘインズのマニュアルをコピーさせてもらったり、ヤフー・オークションで78年当時の西武自販のGSカタログを入手したり、いろいろ情報収集を始めました。インターネットで検索もしてみたのですが、GSはほとんどホームページが見つかりませんでした。うーん、かなりマイナーなのか…との思いが頭をよぎります。BX、CXに比べるとやはり古い分そうなのか。まあ,でも考え方をひっくり返せば、それだけ,珍しい希少な車だと自分に言い聞かせることにしました。でも、パーツの供給の点で不安は大きく広がっていましたが。
 そうこうしているうちに、年があけ、だんだんあたたかくなり、…いつのまにやら4月。GS白は一向に作業が始まりません。うちのメインはオペルのアストラ・ワゴンなので、特に支障はありません。ここは腰を据えてじっくり待つことにしました。古い車ダカラ、パーツ集めもあるし、手間もかかるし、時間がかかるのは仕方がないと納得(覚悟)していました。

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